メモ・「語用論」と「文義」

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20050118/mng_____sei_____003.shtml
自民郵政マニフェスト、悪文です 金田一秀穂・杏林大教授が分析


■郵政に関する記述部分
 郵政事業を二〇〇七年四月から民営化するとの政府の基本方針を踏まえ、日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、国民的議論を行い、〇四年秋ごろまでに結論を得る。


金田一氏はまず「語用論」と「文義」という観点から解説。聞き慣れない言葉だが、例えば、「たばこ、ありますか」といえば、文義的には単にたばこが存在するかどうかを聞いているにすぎないが、語用論的には「たばこをくれ」という意味になる。「文義」とは文章の厳密な意味。これに対し、語用論的意味とは、一般常識的な言葉のとらえ方と理解すればいい。
 金田一氏は、この例でマニフェストについて、「語用論的には、民営化を公約をしたことになり、文義からは、公約していないことになると思う」と分析した。

記事そのものは、2003年衆議院選挙の自民党マニフェストにおいて、郵政民営化についての表現を小泉首相と反民営化勢力が各々恣意的に解釈し、両派の対立が先鋭化していることを例に、その表現を国語的に分析し、政党が「国民に示す明確な約束」であるはずのマニフェストが、全く正反対の解釈を許していることについて問題であると述べているもの。面白かったのでメモ。