メモ

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20050724/mng_____kok_____003.shtml
射殺男性『テロと無関係』 ロンドン警視庁


ロンドン警視庁は二十三日、二十一日の同時テロに関与したとみて首都南部の地下鉄ストックウェル駅で私服警官が射殺した男性について、テロとは無関係だったと発表、遺憾の意を表明した。


警官は、不審な行動をとった男性を地下鉄駅まで追跡したが、男性が制止を振り切って逃げようとしたため、射殺した。ロンドンでは通常、警官は銃を携行しないが、この射殺はほかの乗客の目の前で行われ、五発も連射していた。

あーあ、である。不審な行動を取ったという理由で殺されるのはたまらんね。殺される側の立場に立てば、テロリストによって殺されようが特殊部隊によって殺されようが同じことだ。遺憾の意を表明しても失われた命は戻ってこない。
テロ対策のためには仕方がない、不審な行動を取る方が悪い、もし本当にテロだったら、とか言い出す輩が湧き出しそうであるが、そういう輩は、この件が自分の身には絶対降りかからないと思っていたりするのだろうか。
まあ、「普通」に暮らしていればまずないだろう、なんてことは、自分がこれまで不審者扱いを受けたことがなかっただけの、ある意味全く根拠のない自信でしかない。何もしていないのに警官から目のカタキにされる人はすでに多くいるわけで、この先どうなるのかはわからない。決めるのは他人(それもテロの恐怖に侵されているかも知れない、猜疑心に満ちているかも知れない、人種差別的思想があるかも知れない、でも銃を持ち発砲する権利を持つ他人)だ。

射殺時の記事

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050722it13.htm
英テロ容疑者を射殺、爆発現場近くの地下鉄車内で


英捜査当局は22日、ロンドンの地下鉄ストックウェル駅の地下鉄車両内で、同日午前10時(日本時間同日午後6時)すぎ、男1人を射殺したと発表した。


当局は、男の射殺について、「(21日にロンドンの4か所で起きた同時テロ)事件に直接関係していた。警察の指示に従わなかったため、射殺する事態になった」とした。


BBCによると、ストックウェル駅に停車した地下鉄ノーザン線の車両に、南アジア系とみられる男が走って飛び乗ってきた。この男を追って私服警官らしい3人の男が車内に入り、男に飛びかかった。3人のうち1人は銃を持っており、取り押さえた男に向け5発発射した。周囲には一般乗客がおり、眼前で起こった射殺に恐怖で凍り付いていたという。


英スカイテレビは、{1}警察は男を長時間尾行していた {2}警察は射殺直前に乗客に車外に出るように呼びかけた――と伝え、男が自爆テロを試みようとしたため、特殊部隊が射殺に動いた可能性が高いと指摘した。
(太字は引用者による)

亡くなった(つーか殺された)方は「南アジア系」ではなく、27歳ブラジル人とのこと。彼が白人だったら5発も打ち込まれることはなかったろうな。
また、後の報道を思えば、この時点で「事件に直接関係していた」とか発表しちゃったのはどうかと。一歩間違えれば、彼が事件と無関係だった事実は隠蔽されてしまったかもしれないと思うと、怖い。


警察官やカメラの監視の中、自分の行動が不審に思われないかびくびくしながら生きていく、そんな世の中になったらいやだなあ。ストレスたまりまくりで。で、その時にテロが撲滅されているかと言うと、きっと今より頻繁に発生していることだろう。そんな世の中に不満を感じない人は少ないだろうから。
で、それってある意味テロリストの思うツボってこと??